おなじ日に、おなじ星を見て死ねたら素敵だね。
そんなことを言ったら、たぶん君は泣き笑いのような顔をする。
やわらかな、この季節の陽射しさながらに、
あたたかな、そのこころを忘れた時なんてない。
遠く離れても、大切なものは他にないから。
別たれた道、その最果てはきっと、あの場所へと続く。
石岡君へ。
書き人知らず。
******
「誕生日おめでとう」などと素直に言わないひねくれ者からは、
ご丁寧にも手書きの国際ファクスが舞い込んだ。
実に五年ぶりくらいの、直接の交信になるだろう。
私だっていまどき、電子メールぐらい使えるんだということを、
どうやってあの偏屈者に伝えればいいのだろうか。
もっとも、伝えたところで信用してもらえないような気もするが。
先週出たらしい専門雑誌のインタビューには、今、教鞭を執っている大学のアドレスが記してあった。
来月、御手洗の誕生日には、メールでお祝いを言って驚かせてやろう。
それにしても、「おめでとう」と言うのがそんなに恥ずかしいことだろうか。
私にしてみれば、この少女趣味な文章の方がよほど恥ずかしいと思うのだが。
――価値観の相違というやつか。
******
小さくため息をつき、そっと微笑んで。
届いたファクスを丁寧に折り畳み、石岡は机のいちばん上の抽斗に仕舞った。
|